志賀八幡神社は、滋賀県大津市滋賀里にある神社です。正式名称は「八幡神社」といい、歴史ある神社として知られています。神社は美しい自然に囲まれた静かな場所に位置しており、訪れる人々に癒しと神聖な雰囲気を提供しています。
主祭神: 応神天皇（おうじんてんのう）
応神天皇は日本古代の英雄的な天皇であり、多くの神社で主祭神として祀られています。志賀八幡神社では、応神天皇の御加護を受けたとされ、人々から信仰を集めています。
志賀八幡神社の創建年代は詳細には不明ですが、社伝によれば、天武天皇9年（白鳳9年・680年）に創建されたと伝えられています。この神社は、かつて大社として大いに栄え、「近江興地志略」によると、正八幡宮という名でも知られていたとされています。
元亀2年（1571年）に、織田信長が比叡山を焼き討ちした際、志賀八幡神社もその戦火に巻き込まれ、建物や貴重な文書のほとんどが焼失してしまいました。その後、再建されたものの、1944年（昭和19年）5月7日に隣家からの火災により、社宝や古文書を格納していた倉庫が再び焼失し、創建の由来や詳細な歴史を辿ることは困難になっています。
「近江興地志略」には、「正八幡宮これを志賀八幡という。志賀四か村の産土神である」と記されており、地域の信仰の中心であったことがうかがえます。また、享保19年（1734年）には東向きと南向きの二殿があり、石鳥居が存在していたことが記されています。かつては大社としての威厳を持っていましたが、中世の戦乱で社殿が焼失し、現在のような規模の神社となったと伝えられています。
本殿: 一間社流造（いっけんしゃながれづくり）
本殿は、神社の中心に位置する建物で、一間社流造の構造を持っています。この様式は、古代から続く日本の神社建築の伝統を受け継いでおり、間口二間、奥行一間の規模です。
拝殿: 入母屋造（いりもやづくり）
拝殿は、本殿の手前に位置し、参拝者が祈りを捧げる場所です。間口二間、奥行二間三尺の大きさで、威厳ある建築様式を持っています。
境内には、中門、神輿庫、手水舎、社務所が点在しており、神社の伝統的な風格を感じさせます。これらの建物は神社の運営や祭礼を支える重要な施設です。
境内には、志賀八幡神社に関連する摂末社が複数存在しています。これらの神社もまた、地域の信仰の対象となっています。
若宮神社は、志賀八幡神社の分霊を祀っており、地域の守護神として信仰されています。
樹下神社は、自然の力を象徴する神として、木々や山々に対する信仰が込められています。
稲荷神社は、五穀豊穣や商売繁盛を祈願する場所として、農業や商業を営む人々から特に信仰されています。
竈神社は、火の神を祀り、家庭の安全や繁栄を願う神社です。古くから家庭の中心である竈（かまど）の神として信仰されています。
山ノ神社は、山の神々を祀り、山に住む者や山を利用する者にとっての守護神として信仰されています。
志賀八幡神社の例大祭は、かつて9月15日の「敬老の日」に行われていましたが、現在は9月の第3日曜日に開催されています。この祭りは地域の大きなイベントで、神社周辺は多くの参拝者や観光客で賑わいます。
神社には大宮と若宮、2基の神輿（みこし）があり、南志賀（滋賀学区）と滋賀里・蟻の内（唐崎学区）の氏子地域をそれぞれの神輿が巡幸します。地域の住民たちは、神輿の担ぎ手として祭りに参加し、地域の絆を深めています。みこしの担ぎ手は「駕輿丁（かよちょう）」と呼ばれ、南志賀みこし会と八護会がそれぞれの地域での神輿渡御を担当しています。大宮と若宮の神輿は毎年交互に入れ替わり、祭りの象徴として重要な役割を果たしています。
祭りの一環として、南志賀、滋賀里、蟻の内の3地区は、それぞれ6メートルを超す長さの竹鉾を製作し、神輿渡御に先立って志賀八幡神社に奉納します。この竹鉾の奉納は例大祭の中で最も特徴的な行事のひとつであり、地域の伝統を感じさせるものです。
志賀八幡神社は、滋賀県大津市滋賀里1丁目17-1に位置しています。周辺は自然に囲まれた静かなエリアで、神聖な雰囲気が漂っています。
志賀八幡神社へのアクセスは、京阪石山坂本線の滋賀里駅から徒歩約4分と、非常に便利です。公共交通機関を利用すれば、簡単に神社まで訪れることができます。