比叡山ドライブウェイは、滋賀県大津市にある有料道路で、比叡山の山腹を南側から上り、延暦寺東塔（根本中堂）や比叡山頂を結びます。全長約8.1 kmのこの道は、滋賀県と京都府にまたがる比叡山の美しい景観を楽しめる人気の観光ルートです。運営は京阪ホールディングスの子会社である比叡山自動車道株式会社が担当しています。
比叡山ドライブウェイの建設は1953年（昭和28年）に計画され、1958年4月18日に開通しました。この道路は、大津市の田ノ谷峠から比叡山頂まで続き、途中の「夢見が丘」では琵琶湖の絶景を楽しむことができます。また、道沿いには京阪グループのホテル「ロテル・ド・比叡」が位置しています。開業以来、多くの観光客がこのルートを利用し、比叡山の自然美と歴史を堪能しています。
比叡山ドライブウェイの総距離は約8.1 kmで、延暦寺東塔（根本中堂）までを結びます。観光途中で立ち寄れる「夢見が丘」からは、大津市街や琵琶湖を一望できるポイントがあり、訪れる人々を魅了します。制限速度は40 km/hで、快適なドライブが楽しめる設計となっています。
比叡山ドライブウェイは比叡山自動車道株式会社が運営し、関連施設として「ロテル・ド・比叡」や「比叡山峰道レストラン」があります。これらの施設では、宿泊や食事を楽しむことができ、ドライブ途中の休憩に最適です。
比叡山ドライブウェイの終点からさらに延長される形で「奥比叡ドライブウェイ」があります。このルートは延暦寺西塔（釈迦堂）や横川中堂を経由し、大津市仰木まで続く全長約11.8 kmの有料道路です。沿線には「比叡山峰道レストラン」があり、こちらも比叡山の雄大な自然を楽しめる絶景ポイントです。
比叡山ドライブウェイと奥比叡ドライブウェイの両方を通じて運行されるシャトルバスも利用できます。大津市方面からは江若交通と京阪バスが、京都市方面からは京阪バスと京都バスが「比叡山ドライブバス」を運行しており、「比叡山内1日フリー乗車券」も発売されているため、車がなくても便利に比叡山を巡ることができます。
比叡山ドライブウェイの建設計画は1953年（昭和28年）に京阪電鉄が中心となり進められました。当初は大津市と京都市の間で計画の調整が必要であり、大津市側は国庫負担による公営事業を希望しましたが、最終的には京都市の案で民営企業による運営が決定しました。これにより、1955年に京阪電鉄を主体とした比叡山自動車道株式会社が設立されました。
計画が進行する中で、延暦寺の意向も考慮される必要がありました。また、滋賀県教育委員会の文化財保護委員会からも、史跡や天然記念物の保護の観点から反対意見が出されました。最終的に、鳥類や遺跡の保護に関する条件が付けられ、建設が許可されました。
1957年（昭和32年）5月7日に着工され、翌年の1958年4月には供用開始されました。総工費は約4億8千万円であり、当初は砂利道でしたが、同年秋にはアスファルト舗装が施されました。
開通後、予想以上の利用客が集まり、3日目には1,500台の車が集中し渋滞が発生しました。このため、道路は一時的に一方通行にするなどの対策が取られました。後にアスファルト舗装が行われ、道路状況も改善されました。
比叡山ドライブウェイの開通により、坂本ケーブルの利用者が減少し、坂本エリアへの観光客が少なくなる問題が発生しました。このため、坂本方面への道路延長案が出されましたが、実現には至りませんでした。
比叡山ドライブウェイは、現代においても多くの観光客に利用されています。1999年には「ロテル・ド・比叡」が比叡山国際観光ホテルの跡地に開業し、2001年には「ガーデンミュージアム比叡」がオープンしました。また、2021年には山頂駐車場に超小型EVカーシェアの導入が行われるなど、最新の設備も整備されています。
比叡山ドライブウェイは、自然環境との調和を図りながら運営されています。建設時には鳥類の保護や植樹などが行われ、現在でも比叡山の美しい自然が維持されています。また、訪れる観光客も自然保護の重要性を感じながら、比叡山の風景を楽しむことができます。
比叡山ドライブウェイは、歴史的な背景と美しい景観を併せ持つ、滋賀県と京都府をつなぐ重要な観光ルートです。ドライブを楽しみながら、延暦寺や琵琶湖の絶景を堪能できるため、多くの観光客に親しまれています。今後も、自然との共存を大切にしながら、比叡山ドライブウェイは発展を続けていくでしょう。