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比叡山鉄道線

(ひえいざん てつどうせん)

比叡山鉄道線は、滋賀県大津市に位置し、ケーブル坂本駅からケーブル延暦寺駅までを結ぶケーブルカー路線です。この路線は比叡山への東側のアクセスルートとして知られ、「坂本ケーブル」とも呼ばれています。比叡山鉄道線は全長2,025メートルで、日本最長のケーブルカーとしても有名です。

路線の特徴

比叡山鉄道線は比叡山延暦寺への重要なアクセスルートであり、特に冬季は通年運行される唯一の公共交通機関として機能しています。比叡山を訪れる参詣者や観光客にとって、紅葉シーズンや雪景色を楽しむための交通手段としても人気です。

歴史的背景

比叡山鉄道線は、1912年に比叡登山軽便電軌鉄道が計画されたのが始まりです。しかし、その免許は翌年失効し、比叡山へのケーブルカー計画は中断されました。その後、1924年に「比叡登山鉄道株式会社」が設立され、1927年に現在の路線が開業しました。開業当初から「日本名物東洋最大」と宣伝され、多くの観光客を集めました。

戦時中の影響と再開

太平洋戦争中の1945年には、特攻機射出カタパルト建設のために営業を休止し、全施設が海軍に接収されました。戦後は施設が返還され、1946年に旅客営業が再開されました。その後も数度のリニューアルが行われ、現在に至ります。

車両と設備の進化

現在運行されている車両は1993年に導入されたもので、「縁」号と「福」号という愛称が付けられています。また、車両の電源には蓄電池が使用されており、架線を撤去したことで視界がよりクリアになりました。

観光の見どころ

比叡山延暦寺へのアクセス

この路線の終点であるケーブル延暦寺駅は、比叡山延暦寺への参詣や観光の玄関口です。比叡山は天台宗の総本山であり、日本の宗教史においても非常に重要な場所です。ケーブルカーを利用して登ることで、標高848メートルの比叡山からの絶景を楽しむことができます。

中間駅での観光

途中のほうらい丘駅やもたて山駅では、自然豊かな景色を楽しむことができます。特に、秋には紅葉が美しく、多くの観光客が訪れます。これらの駅で途中下車することもでき、ゆっくりと散策するのに適しています。

運行情報とアクセス

運行時間と運賃

比叡山鉄道線は30分間隔で運行されていますが、紅葉シーズンなどの土日・休日には15分間隔に増発されます。所要時間は約11分で、運賃は区間により異なりますが、通常は片道870円です。また、往復割引も提供されており、さらにお得に利用できます。

運賃の詳細

短距離のケーブル坂本駅 - ほうらい丘駅間およびケーブル延暦寺駅 - もたて山駅間では、運賃は大人片道120円ですが、それ以外の区間では大人片道870円です。また、途中下車も当日中であれば自由に可能です。

歴史と年表

比叡山鉄道線の歴史は、1927年に開業した当初から多くの歴史的な出来事に彩られています。戦争中の一時的な閉鎖や、特攻機運搬用の鉄道としての使用など、比叡山鉄道線は日本の近代史とも密接に関わっています。以下は主な出来事を年表にまとめたものです。

年表

利用状況と実績

比叡山鉄道線は、年間を通して多くの観光客や参拝者が利用しています。特に、秋の紅葉シーズンには乗車率が非常に高くなり、多くの人々が比叡山の美しい自然を楽しみに訪れます。また、比叡山は世界遺産にも登録されているため、国際的にも注目される観光地となっています。

利用実績の推移

比叡山鉄道の輸送実績は、年度ごとに変動しています。紅葉や観光シーズンには乗客数が増加し、また、国内外からの観光客も増え続けています。これにより、比叡山鉄道線は地域経済や観光産業においても重要な役割を果たしています。

結論

比叡山鉄道線は、比叡山を訪れる際に欠かせない交通手段であり、その歴史や観光価値は非常に高いものです。豊かな自然や歴史的な建造物を楽しみながら、ケーブルカーでの旅を満喫できるこの路線は、四季折々の景色を堪能できる素晴らしい観光スポットです。ぜひ、比叡山を訪れる際には、比叡山鉄道線を利用してみてください。

Information

名称
比叡山鉄道線
(ひえいざん てつどうせん)

大津・比叡山

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