荒神山神社は、滋賀県彦根市に位置し、古くからかまど神として知られる神を祀る神社です。家庭の火を守る神として広く信仰されており、地域の人々からも深く崇敬されています。この神社は、その神聖な雰囲気と長い歴史により、多くの参拝者を集めています。
荒神山神社の主祭神は、以下の三柱の神々です。
主祭神の他にも、以下の神々が配され、神社の守護として祀られています。
荒神山神社の創建年代については詳しい記録が残されていませんが、歴史的には非常に古い由緒を持っています。この地域は、天智天皇の時代に祓殿および御祈所として指定され、犬上・愛知・神前・蒲生の4郡の祈祷が行われていた重要な場所でした。
荒神山神社は、奈良時代の高名な僧である行基によって三宝荒神を勧請して創建された寺院、奥山寺として始まりました。奥山寺は、当初は天台宗の寺院として、神仏習合の形式で発展しました。行基は、奥山寺の伽藍の完成後、伊勢神宮に礼参し、外宮の神木である宇賀璞の実と栂の実を神社の境内に植えたと伝えられています。
しかし、戦国時代には、奥山寺は織田信長の軍勢によって焼き払われ、多くの貴重な宝物や古文書が焼失しました。これは、奥山寺が当時の叡山派に属していたため、信長の比叡山焼き討ちに連なるものとされています。
その後、江戸時代に入り、荒神山神社は井伊彦根藩から厚く保護されました。毎年米15石を供進されるなど、約300年間にわたり多くの寄進が行われ、社殿の修復や維持が行われました。これにより、荒神山神社は再び地域の信仰の中心として繁栄しました。
明治時代に入ると、神仏分離令により、奥山寺は廃寺となり、荒神山神社として改めて神社が設立されました。この時に、奥山寺の仏像や仏具は他所へと譲渡されました。明治9年には、荒神山神社は正式に村社に列せられ、地域の信仰の中心としての役割を果たしています。
荒神山神社では、年間を通じてさまざまな祭礼や行事が行われています。これらの行事は、地域住民にとって重要な年中行事であり、多くの参拝者が訪れます。
代々祭は、荒神山神社の代表的な祭礼で、毎年4月下旬および11月下旬に行われます。この祭りでは、地域の安寧や繁栄を祈願するため、多くの参拝者が集まります。
みなづき祭は、6月29日と30日に行われる重要な行事です。これは、梅雨の時期にあたることから、水の神に対する感謝と祈りを捧げる祭りであり、地域の農業や生活において欠かせない行事となっています。
荒神山神社では、家庭の台所の守護神としての信仰が根強く残っています。この神社の主祭神である火産霊神をはじめとする神々は、特に火や家庭の安寧を守る神として知られ、かまど神信仰が続いています。
荒神山神社の信仰は、個々の家庭でも大切にされています。かまど神を祀る場合、お札をいただいた家庭では、その作法に従って拝礼が行われます。これは、神社での信仰が家庭生活にも深く根ざしていることを示しています。
荒神山神社は、滋賀県彦根市に位置しており、公共交通機関を利用してアクセスすることができます。最寄り駅からのアクセス方法やバスの情報については、現地の交通案内を参考にしてください。