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沙沙貴神社

(ささき じんじゃ)

沙沙貴神社は、滋賀県近江八幡市安土町常楽寺にある由緒ある神社です。式内社であり、旧社格は県社に指定されています。佐々木姓発祥の地として知られ、近江源氏の氏神を祀る場所でもあります。

神社の概要

歴史的背景

沙沙貴神社では少彦名命を主神とし、合わせて計四座五柱の神々を祀っています。これらの神々は「佐佐木大明神」と総称され、地域や佐々木姓を持つ一族にとって重要な信仰の対象となっています。特に、宇多源氏の祖である敦実親王やその父・宇多天皇も合祀されており、宇多源氏や佐々木氏の氏神として長い歴史を持ちます。

神話と伝承

沙沙貴神社の起源は神代に遡り、少彦名命が「ササゲ」の船に乗りこの地に降り立ったという伝説が残されています。この出来事により、この地は「ササキ」と呼ばれるようになりました。また、古代には沙沙貴山君が大彦命を祀り、景行天皇が社殿を造営させたとされています。

中世から近世の発展

平安時代には近江国蒲生郡の式内社として認められ、宇多源氏の成頼がこの地に土着することで佐々木氏の氏神としての重要性を増していきました。戦国時代、織田信長が近江を支配するようになりましたが、沙沙貴神社は破壊されることなくそのまま維持されました。江戸時代の天保年間に火災で社殿が焼失しましたが、後に再建されています。

神社の構造と文化財

社殿の再建

1831年から1845年にかけての火災により、社殿が一度焼失しました。しかし、1848年(弘化5年)に丸亀藩主の京極高朗の手によって再建されました。これにより、本殿や拝殿、楼門などの建築物が復興され、これらは平安時代や鎌倉時代の様式を取り入れた再建となっています。今日では、これらの建物は滋賀県指定有形文化財に登録されています。

主な文化財

境内と見どころ

乃木将軍の松

境内には、日露戦争で活躍した乃木希典将軍が手植えした松が残されています。これは歴史的にも重要なシンボルとなっており、多くの参拝者が訪れる理由の一つとなっています。

なんじゃもんじゃの木

沙沙貴神社の境内には、「なんじゃもんじゃ」と呼ばれる珍しい木が立っています。この木は特異な形状をしており、見る者に驚きと興味を抱かせる存在です。

十二支の庭

神社の境内には干支を象った石像が並ぶ「十二支の庭」があります。これは中嶋登茂美氏による作であり、訪れる人々が干支にちなむ運勢を占う場としても親しまれています。

庭園「呑月の庭」

1889年に勝元宗益が築いた庭園「呑月の庭」は、風流な景観を誇り、参拝者に癒しのひとときを提供しています。この庭園は季節ごとに異なる表情を見せ、訪れるたびに新たな発見があります。

祭神と御祭り

主な祭神

主要な祭事

沙沙貴神社では、毎年10月に「近江源氏祭」が開催されます。この祭りは、宇多源氏の末裔や佐々木氏に関わる人々が集まり、祖先を敬う重要な行事です。祭りでは、神輿が担がれ、境内が華やかな雰囲気に包まれます。

交通アクセス

公共交通機関でのアクセス

沙沙貴神社へのアクセスは非常に便利です。JR東海道本線(琵琶湖線)安土駅から徒歩で約10分で到着します。また、近江鉄道八日市線や万葉あかね線を利用して近江八幡駅まで行き、そこからバスで「沙沙貴神社」停留所で下車することも可能です。

車でのアクセス

車で訪れる場合、神社の近くには駐車場も完備されています。国道8号線や名神高速道路を利用してアクセスすることができ、観光や参拝に便利です。

まとめ

沙沙貴神社は、歴史的・文化的に重要な神社であり、佐々木氏や宇多源氏に関連する多くの人物に崇敬されてきました。豪華な社殿や美しい庭園、珍しい植物など、見どころが多く、参拝者に豊かな歴史と自然の魅力を伝えています。アクセスも便利で、滋賀県を訪れた際にはぜひ立ち寄りたいスポットの一つです。

Information

名称
沙沙貴神社
(ささき じんじゃ)

彦根・近江八幡

滋賀県