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ボーダレス・アートミュージアム NO-MA

(Borderless Art Museum NO-MA)

ボーダレス・アートミュージアム NO-MA(ノマ)は、滋賀県近江八幡市にある美術館であり、障害者によるアール・ブリュット(アウトサイダー・アート)の美術作品を展示する施設です。

NO-MAの概要

ボーダレス・アートミュージアム NO-MAは、昭和初期に建てられた町屋である旧野間邸をリノベーションして、オルタナティヴ・スペースとして活用しています。2004年に社会福祉法人滋賀県社会福祉事業団が日本財団の助成を受けて開館し、障害者アートにとどまらず、多様なアート作品の展示を通じて「ボーダレス」の概念を探求する場として機能しています。

建物とその特徴

美術館は、近江八幡市の中心に位置し、重要伝統的建造物群保存地区としても知られる八幡地区永原町にあります。旧野間邸という歴史的建物を改築し、現代アートの展示スペースとして利用している点が特徴です。この建物は昭和初期に建築され、町屋の魅力と現代アートが融合した独特の空間を提供しています。

名称の由来

NO-MAという名前は、もともとこの施設が町屋の家主であった旧野間邸を利用していることから名付けられました。「NO-MA」という言葉は、施設の名前を象徴するために造語として作られました。

アートディレクターと作品

美術館のアートディレクターを務めるのは、絵本作家のはたよしこ氏です。はた氏は、1995年からアール・ブリュットの作家の発掘に取り組み、障害者アートという枠にとどまらない幅広いアート表現を紹介するため、さまざまな企画展を開催しています。はた氏の活動は、NO-MAのコンセプト「ボーダレス」を具現化するための重要な役割を果たしています。

館長の就任

2023年には、写真家・映画監督である大西暢夫氏が館長に就任しました。大西氏は開館当初からアール・ブリュット作家とその作品を取材し、写真や映像で記録を残してきました。その経験を基に、美術館の運営に新たな視点を提供しています。

歴史と発展

ボーダレス・アートミュージアム NO-MAは、2004年に「ボーダレス・アートギャラリー NO-MA」として開館し、その後2007年に現在の名称に改称されました。NO-MAはその名前の通り、境界を超えるアートの展示を行い、障害者アートという分野に新たな風を吹き込みました。

海外との連携

NO-MAは日本国内のみならず、海外との連携にも積極的に取り組んでいます。2006年にはスイス・ローザンヌにあるアール・ブリュット・コレクションとの共同企画を実施し、さらに2008年から2009年にかけて「JAPON」展を開催しました。2010年から2011年には、フランス・パリのアル・サン・ピエール美術館で「アール・ブリュット・ジャポネ」が開催され、12万人の来場者を集めるなど、国際的な評価を得ています。

フランス・ナントでの展示

その後も、フランスのナントにある国立現代芸術センターリュー・ユニックで「KOMOREBI」展が開催されるなど、NO-MAの活動は広がり続けています。これらの展示は、アール・ブリュットというアートの枠を超えて、日本と海外の文化交流を深めるきっかけとなっています。

周辺の観光施設

NO-MA周辺には、多くの観光スポットが点在しています。美術館を訪れた後は、近隣の歴史的建造物や公園を散策することもおすすめです。

旧八幡郵便局

NO-MAの近くには、昭和初期に建てられた旧八幡郵便局があります。この建物は、赤レンガ造りの美しい外観が特徴で、歴史を感じさせるスポットです。

近江八幡市立資料館 郷土資料館・歴史民俗資料館

また、近江八幡市立資料館の郷土資料館と歴史民俗資料館も徒歩圏内にあり、地域の歴史や文化について学ぶことができます。これらの施設では、近江八幡市の豊かな伝統と文化を知ることができます。

ヴォーリズ記念館と日牟禮八幡宮

さらに、近江八幡市には、ヴォーリズ記念館や日牟禮八幡宮など、歴史的・宗教的な名所も数多く存在します。特にヴォーリズ記念館は、建築家ウィリアム・メレル・ヴォーリズの業績を称える場所で、多くの建築ファンが訪れています。

NO-MAの利用案内

ボーダレス・アートミュージアム NO-MAを訪れる際には、以下の情報を参考にしてください。

開館時間と休館日

NO-MAの開館時間は11時00分から17時00分です。休館日は月曜日ですが、祝日の場合は次の平日が休館となります。また、年末年始や展示替えの期間も休館日となるため、訪問前に公式ウェブサイトで最新の情報を確認することをおすすめします。

観覧料

観覧料は有料ですが、中学生以下の子どもや障害者とその付添者1名は無料で入館できます。詳細な料金については、美術館の案内をご覧ください。

交通アクセス

NO-MAへのアクセスは、公共交通機関や自動車を利用することができます。

公共交通機関

JR東海道本線(琵琶湖線)および近江鉄道八日市線(万葉あかね線)の近江八幡駅からは、近江鉄道バスを利用し、「大杉町八幡山ロープウェー口」停留所で下車して徒歩6分です。また、同駅から「あかこんバス」を利用する場合は、「仲屋上筋」停留所で下車し、徒歩2分で到着します。

自動車でのアクセス

自動車で訪れる場合は、名神高速道路の竜王インターチェンジから約25分で到着します。駐車場の有無については事前に確認しておくと安心です。

まとめ

ボーダレス・アートミュージアム NO-MAは、アール・ブリュットの展示を通じて障害者アートやアウトサイダー・アートの新たな可能性を探る美術館です。旧野間邸を利用した建物の魅力や、多様な企画展、さらには国内外での展示活動を通じて、文化の多様性を広めています。滋賀県を訪れる際には、ぜひNO-MAを訪れてみてはいかがでしょうか。

Information

名称
ボーダレス・アートミュージアム NO-MA
(Borderless Art Museum NO-MA)

彦根・近江八幡

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