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善勝寺

(ぜんしょうじ)

善勝寺は、滋賀県東近江市に位置する曹洞宗の寺院です。山号は繖山(きぬがさやま)で、標高433メートルの繖山の北側に位置しています。本尊は十一面観音で、近江三十三所観音霊場の二十番札所となっています。

寺の歴史

善勝寺の歴史は古く、寺伝によれば、聖徳太子によって創建された霊場であるとされています。創建当時は、太子の叔父である良正上人が開基し、石窟の中で弥勒菩薩の霊像を得たことが始まりとされています。その後、聖徳太子が彫刻したとされる観音像とともに両本尊とし、寺は「釈善寺」と名付けられました。

坂上田村麻呂が東夷征伐を終えた後、この地に訪れ、寺を再興しました。その際、「善く勝った」という勝利に因んで寺の名前が「善勝寺」に改められました。境内には、坂上田村麻呂が鈴鹿山の鬼、大嶽丸を討伐した際、その首を埋めたとされる鬼塚があります。

織田信長の兵火による焼失

もともと善勝寺は天台宗の寺院で、七十余坊を擁する大伽藍を誇っていました。しかし、織田信長による兵火により、全てが焼失してしまいます。その後、寺は曹洞宗に改宗され、再びその姿を取り戻しました。

北向岩屋十一面観音

善勝寺の奥の院とされるのが、猪子山山頂に位置する北向岩屋十一面観音です。伝承によると、坂上田村麻呂が鈴鹿の鬼賊大嶽丸を討伐した際、この十一面観世音菩薩の石像を安置し、祈願したとされています。現在も、多くの参拝者がこの地を訪れ、平和や安全を祈願しています。

龍宮城を思わせる山門

善勝寺には、まるで龍宮城を思わせる美しい山門があります。この山門は、訪れる人々に荘厳な印象を与え、その先に広がる寺院の風景に期待を抱かせます。

聖徳太子ゆかりの寺院

善勝寺は、聖徳太子と深いゆかりを持つ寺院であり、太子の叔父である良正上人が開基したとされています。創建当初の寺名は「釈善寺」であり、もともとは天台宗の寺院でした。しかし、坂上田村麻呂の東征勝利にちなんで、寺の名前が「善勝寺」に改められました。

近江三十三所観音霊場

善勝寺は、近江三十三所観音霊場の二十番札所となっています。この霊場巡りは、古くから信仰を集め、多くの参拝者が訪れる巡礼の地として知られています。善勝寺では、本尊である十一面観音が多くの信者に崇められており、観音の慈悲を求める人々が訪れます。

札所巡り

近江三十三所観音霊場は、滋賀県内を中心とした観音霊場巡りで、善勝寺はその20番目に位置します。前後には、19番札所の観音正寺と、21番札所の長命寺があり、信仰の深い人々にとって重要な巡礼ルートの一つです。

善勝寺には、長い歴史と数々の伝説が息づいており、訪れるたびに新たな発見があります。寺を訪れる参拝者は、その荘厳な雰囲気と美しい景色に心を癒されることでしょう。

まとめ

善勝寺は、聖徳太子や坂上田村麻呂にゆかりのある歴史的な寺院であり、曹洞宗の重要な霊場です。かつては大伽藍を誇る天台宗の寺院として栄えましたが、織田信長の兵火により焼失。その後、曹洞宗に改宗し、現在も多くの参拝者を迎えています。

また、奥の院である北向岩屋十一面観音や、龍宮城を思わせる美しい山門など、見どころも多く、歴史的な背景を感じながら参拝できる場所です。善勝寺を訪れれば、過去から現代へと続く日本の歴史と文化に触れることができるでしょう。

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名称
善勝寺
(ぜんしょうじ)

彦根・近江八幡

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