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沖島

(おきしま)

沖島(おきしま)または沖ノ島(おきのしま)は、琵琶湖の沖合約1.5kmに位置する琵琶湖最大の島です。この島は、琵琶湖国定公園の第2種特別地域に指定されており、豊かな自然環境と歴史的な背景を持つ島として知られています。また、2015年4月24日には「琵琶湖とその水辺景観- 祈りと暮らしの水遺産」の構成文化財として日本遺産に認定されました。

沖島の概要

沖島は、滋賀県近江八幡市沖島町に属し、約250人が住む有人島です。島の南西部には集落が形成されており、島内には小学校や郵便局も設置されています。さらに、島内には多くのネコが生息しており、観光客にとってもその可愛らしい姿が人気です。

琵琶湖唯一の有人島

沖島は日本で唯一の淡水湖にある有人島であり、海と繋がった汽水湖の島々(中海の大根島・江島、浜名湖の弁天島など)とは異なり、橋が架けられていないため、完全に孤立した島となっています。この特徴的な環境から、島内には自動車はなく、島民の多くが自家用船を所有しており、島内での移動は徒歩や自転車が一般的です。

歴史的な背景

沖島は戦国時代、琵琶湖水運の重要な拠点として、ここに関所が設置されていました。島を通過する船は関銭を支払う代わりに、住民によって航行の安全が保証されていました。この関所は、当初は六角氏の支配下にありましたが、後に本願寺系の自治都市堅田の保護を受け、織田信長の近江平定後も存続が許され、豊臣政権下までその機能を果たしていました。

現代の沖島

2013年6月、沖島は国土交通省の離島指定基準の見直しにより離島地域に加えられることが決定されました。2021年には、新型コロナウイルスワクチンの接種が島民全員を対象に行われ、感染防止策が講じられました。

沖島の観光スポット

奥津島神社

沖島に鎮座する奥津島神社は、和銅5年(712年)に藤原不比等によって創祀されたと伝えられ、名神大社として記載されています。この神社は、古くから朝廷や武家に尊崇され、近江国の名社として歴史的な価値が高い神社です。

西福寺

西福寺は、蓮如の真筆である「虎斑の名号」や「正信念仏偈」が所蔵されており、歴史的な文化財としても重要な役割を果たしています。

交通アクセス

沖島へは、琵琶湖東岸の近江八幡市本土とを結ぶ船でアクセス可能です。堀切新港から沖島港へは、近江八幡駅からバスを利用してアクセスできます。島内では自転車や徒歩での移動が一般的で、車は一切使用されていません。

警察・消防体制

島内には交番や駐在所はありませんが、事件や事故が発生した際には近江八幡市の警察署が対応します。また、火災が発生した場合は、消防艇「おきしま」が湖水を汲み上げて消火活動を行います。消防艇は、夜間の急病人搬送にも使用され、島内の生活を守る重要な存在です。

沖島の特産品

沖島では、特産品としてサツマイモを使ったアイスクリームが販売されています。しかし、近年ではイノシシによる食害に悩まされており、島民にとって課題となっています。また、琵琶湖で捕獲されたブラックバスをミンチにした「沖島よそものコロッケ」も販売されており、「よそもの」とは、琵琶湖の固有種ではない外来種を意味しています。

沖島のライフライン

水道水は、琵琶湖の湖水を島内の浄水場で濾過して供給されています。また、電気や通信インフラは、本土と島の間に湖底ケーブルを通じて供給されています。このような工夫により、離島でありながらも快適な生活が送れる環境が整えられています。

沖島の魅力

沖島は、その独自の自然環境と歴史的背景から、多くの観光客が訪れる魅力的な場所です。島全体が穏やかな雰囲気に包まれ、訪れる人々に心の安らぎを提供してくれます。琵琶湖の美しい景色と共に、沖島ならではの体験を楽しむことができるでしょう。

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名称
沖島
(おきしま)

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