観峰館は、滋賀県東近江市五個荘竜田町にある、「書の文化にふれる博物館」をメインテーマとした博物館です。館内には、中国近現代書画や日本の書画を中心に、約2万5千点の貴重な収蔵品が展示されています。
観峰館の設立のきっかけは、日本習字教育財団の創立者である原田観峰氏が1960年代後半から蒐集した、書道教育資料や文化教育資料にあります。原田氏は、特に中国近代の書画を中心に貴重な作品を収集しており、そのコレクションを保存し展示するための博物館設立を目指していました。彼の構想は実現し、1995年10月、彼の死後に観峰館が開館しました。
2015年には新館がオープンし、現在では他の機関からの借用品も含む企画展が年に数回開催されています。
観峰館では、中国清時代後期を中心とした書画資料、江戸時代から明治にかけての版本、さらにアンティークオルゴールなどの西洋アンティークも展示されています。全体で約2万5千点におよぶこれらの資料は、書道の歴史や文化を理解する上で非常に貴重なものです。
特に注目されるのは、中国河北省の避暑山荘や、紫禁城にある乾隆帝の書斎三希堂の復元展示で、当時の中国書法文化を再現した空間となっています。
本館では、清朝第4代皇帝康熙帝による書「避暑山荘」の扁額や、世界遺産である泰山にある紀泰山銘の大型拓本などが展示されています。これらの展示品は、書の歴史や文化を深く知る手がかりとなります。
3階には、書の歴史をたどる展示があります。豊富な拓本類を用い、漢字の書体がどのように変遷してきたかが紹介されています。さらに、中国の文房具や出土物を通じて、書かれる素材や技術の進化についても学ぶことができます。
江戸時代から明治にかけての日本の版本や、明治以降の教科書が展示されており、日本の教育史を知るための貴重な資料がそろっています。
5階では、定期的に企画展が開催されており、中国書画や扇面作品、斗方作品が展示されています。
書院展示室は、中国建築の四合院様式を再現した空間で、拓本体験や講座などが実施されることもあります。展示室の一角には、乾隆帝の書斎「三希堂」の復元展示があり、歴史的な書道文化を感じることができます。
この展示室では、アンティークオルゴールやクラシックカーなど、西洋アンティークにまつわる展示が行われています。ロココ調の家具や西洋地図などもあり、西洋文化との対比を楽しむことができます。
本館1階の展示室では、圧倒的な大きさを誇る「紀泰山銘」や「石台孝経」の大型拓本が展示されています。また、現代の画家である董寿平氏による大作「老松図」も見ることができます。
中国河北省承徳市に現存する清朝皇帝の離宮「避暑山荘」の中心建物「澹泊敬誠殿」の内部が復元展示されています。玉座を中心とした豪華な彫刻や装飾は、皇帝の権威と中国文化の精髄を感じさせるものです。
6階には展望ホールがあり、東近江地域や湖東平野を一望できます。南東には鈴鹿山脈、西には近江六角氏の居城として知られる観音寺城を有する繖山が望めます。
滋賀県東近江市五個荘竜田町136
9:30 - 17:00(最終入館は16:30)
毎週月曜日(祝日の場合は翌平日)
一般 500円、高校生・学生 300円、中学生以下 無料
近江鉄道本線(湖東近江路線)五箇荘駅から徒歩10分