米原市醒井宿資料館は、滋賀県米原市醒井に位置し、文化財建造物を活用した博物館です。2000年(平成12年)11月12日に「米原町醒井宿資料館」として開館し、現在は中山道醒井宿に構える貴重な歴史的建造物の保存と展示を行っています。
資料館は、1915年(大正4年)に建築された「旧醒井郵便局局舎」と江戸時代に建築された「川口家住宅(旧醒井宿問屋場)」の2つの施設で構成されています。
旧醒井郵便局舎は、1915年に建設され1973年まで郵便局として使用されていた木造2階建の擬洋風建築物です。設計には建築家ウィリアム・メレル・ヴォーリズが関わったとされますが、現存するヴォーリズの設計図とは一部異なる点が見られます。
建物は、1934年にモルタル張りへと改装され、玄関の位置や間取りにも大きな変更が加えられました。1階には郵便および電信事務室、応接室が配置され、2階には電話交換室と交換手の宿直室、休憩室がありました。
外観の特徴として、角柱にはフルーティング装飾が施され、柱頭にはアカンサス模様が見られます。これにより洋風建築の美しい装飾が施され、当時の建築技術と美意識が反映されています。
資料館としての活用を目指し、1999年から2000年にかけて解体修理が行われました。1階は醒井宿の歴史紹介の展示スペースおよび休憩所として無料開放され、2階は有料の展示室となり、江戸時代から受け継がれる醒井宿の絵図や古文書が展示されています。
川口家住宅は、江戸時代の醒井宿において、大名や役人に人足や馬を手配する問屋場として機能していた建物です。かつては7軒の問屋が存在しましたが、完全な形で残るものは全国的にも希少で、米原市の文化財に指定されています。
17世紀中期から後期に建築された木造平屋建で、間取りは玄関の土間、板の間、和室が続き、当時の宿場町の生活や役割を伝えています。また、旧醒井郵便局舎2階の展示には「江龍文書」による醒井宿の絵図があり、当時の建物がさらに南側に広がっていたことが確認されています。
川口家住宅は1998年に米原市の文化財として指定され、2000年より修復が行われました。現在では資料展示のほか、定期的なコンサートやイベントも開催され、地域文化の交流の場としても利用されています。
旧醒井郵便局局舎は1915年に建設され、1934年に改築されました。木造2階建で外部はモルタル張りが施されています。1998年9月2日には国の登録有形文化財に指定されています。
川口家住宅は江戸時代前期に建てられた木造平屋建です。1998年12月21日に市指定の文化財として登録され、歴史的価値の高い建造物として保護されています。
午前9時から午後5時まで(最終入館は午後4時30分)。
毎週月曜日(祝日の場合は翌日)および年末年始(12月27日から1月5日まで休館)。
2館共通の入館料として、大人(高校生以上)200円、小人(小・中学生)100円です。団体割引(20人以上)の場合は、大人160円、小人80円でご利用いただけます。
JR東海東海道本線「醒ケ井駅」から旧醒井郵便局舎まで徒歩5分。醒井宿問屋場は郵便局舎からさらに徒歩5分の距離にあります。
北陸自動車道「米原インターチェンジ」から国道21号を大垣・岐阜方面に約3キロメートル。「醒井水の宿駅」および「醒ケ井駅」の駐車場が利用可能です。