吉姫神社は、滋賀県湖南市に位置する格式ある神社で、古くからの歴史と伝統を誇ります。神社は式内社であり、旧社格は村社に属します。男神を祀る吉御子神社との対をなす女神の社として知られており、毎年行われる例祭や境内の湧水など、地元の人々にとって信仰の中心となる神社です。
吉姫神社の境内には、万病に効果があるとされる「宮前の湧水」が湧いており、多くの参拝者がこの水を求めて訪れます。また、神社に保存されている木造の狛犬は南北朝時代に作られたと言われ、歴史的な価値が高いものです。この狛犬の愛らしい表情は、参拝者を和ませる魅力を持っています。
境内に湧き出る「宮前の湧水」は、古くから地元で万病に効く水として信仰されています。この清らかな水は、吉姫神社を訪れる多くの人々にとって神聖な存在であり、参拝の際に持ち帰ることもできる貴重なものです。
吉姫神社に安置されている木造の狛犬は、南北朝時代に作られた歴史的なものです。狛犬は、愛らしい表情と精緻な彫刻が特徴で、訪れる人々の目を楽しませてくれます。この狛犬は、神社の歴史的な遺産として大切に保存されています。
吉姫神社では毎年5月1日に例祭が行われます。この祭りは「石部例大祭」と呼ばれ、吉御子神社とともに神輿が担ぎ出され、両社の神輿が市内を巡行します。この神事は地元の重要な行事であり、多くの参拝者や観光客が参加します。
石部例大祭は、5月1日に吉姫神社と吉御子神社から神輿がそれぞれ出発し、市内を巡行する伝統的な祭りです。両社は男神と女神の対をなしており、この祭りを通じて神々が結びつき、地域に繁栄をもたらすとされています。
吉姫神社の創建年代は詳しくは不明ですが、古くからの神社であり、吉御子神社と同様に式内社である石部鹿鹽上神社の後裔社であるとされています。かつては現在の御旅所の場所に鎮座していましたが、明応年間に兵火で焼失し、1534年(天文3年)に現在の地に遷座されました。江戸時代には「上田大明神社」と呼ばれていましたが、明治元年に現在の社号に改められました。また、明治天皇が東幸された際、幣帛料が下賜されるという栄誉を受けています。
吉姫神社は、吉御子神社(よしみこじんじゃ)と対をなす神社で、吉御子神社が男神を祀るのに対して、吉姫神社は女神を祀っています。この神話的な対の関係は、両神社が地域の信仰と文化において重要な役割を果たしていることを示しています。両社から神輿が出発する石部例大祭は、この対の関係を象徴する行事です。
吉姫神社の主祭神は木花開耶姫(このはなさくやひめ)であり、農業や豊穣を司る女神として広く信仰されています。また、配祭神として上鹿葺津姫(かみかぶきつひめ)と吉比女大神(よしひめおおかみ)が祀られています。
吉姫神社の本殿は一間社流造で、間口一間三尺、奥行一間一尺という規模です。また、拝殿は入母屋造で、間口三間、奥行三間の建物です。その他にも、境内には摂社・末社として世継神社、天満宮、水神社などが祀られています。
吉姫神社の境内には、以下の摂社・末社が祀られています。
これらの神社も地域の人々に信仰され、吉姫神社とともに訪れる価値のある場所です。
所在地:滋賀県湖南市石部東8-4-1
交通機関:JR草津線石部駅から湖南市コミュニティバスに乗車し、「石部交番前」停留所で下車、そこから徒歩7分です。また、石部駅から徒歩30分で神社に到着することも可能です。
自動車:名神高速道路の栗東ICから約20分の場所に位置し、駐車場も完備されていますので、車でのアクセスも便利です。
周辺の観光地:吉姫神社の周辺には、石部宿場の里や東海道石部宿歴史民俗資料館などの観光スポットもあります。観光を兼ねて吉姫神社を訪れることで、地域の歴史や文化にも触れることができるでしょう。