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大鳥神社(甲賀市)

(おおとり じんじゃ)

大鳥神社は、滋賀県甲賀市甲賀町鳥居野に位置する歴史ある神社です。地元では「てんのうさん」とも親しまれ、長い歴史と多くの文化財を有する神社として知られています。

概要

大鳥神社は、平安時代に創建され、鎌倉時代から室町時代にかけては近江守護の六角氏に深く崇敬されました。現在もその歴史を感じさせる境内と、多くの文化財が保存されています。

歴史

大鳥神社の歴史は平安時代の元慶6年(882年)に遡ります。伊賀国阿拝郡河合郷の篠山嶽から大原中に勧請され、その後現在の地に遷座されました。当時、天台宗の河合寺が神宮寺として創建され、神仏習合のもとで神社と寺が一体化していました。河合寺は36の子院を持つ大きな寺院として栄えましたが、1868年の神仏分離令により神社と分離されました。

豊臣秀吉や徳川家の将軍たちからも保護を受け、江戸時代には桂昌院より修繕料が寄進されるなど、歴代の権力者から崇敬を集めてきました。明治以降、社名は「大鳥神社」に改められ、地元に密着した神社としての役割を果たしています。

祭神

大鳥神社の主祭神は素盞鳴命であり、相殿には大己貴命奇稲田姫命も祀られています。これらの神々は古くから人々に災厄を払う神として崇敬されてきました。

境内の施設

大鳥神社の境内には、数多くの歴史的建造物があり、その多くが文化財に指定されています。以下にその主な施設を紹介します。

本殿

本殿は甲賀市指定有形文化財であり、境内の中心に鎮座しています。古くからの建築様式を伝える貴重な建物です。

祝詞殿(中門)

祝詞殿は国登録有形文化財に指定されており、1919年に再建されました。ここでは神事が行われ、参拝者が神に祈りを捧げる場となっています。

拝殿

拝殿も1919年に再建された国登録有形文化財で、参拝者が神々に礼を尽くす場所です。立派な建築が特徴で、多くの参拝者が訪れます。

その他の建造物

文化財

大鳥神社には多くの文化財があり、歴史的価値の高い遺産が保存されています。中でも、重要文化財に指定されている木造神像(社伝素盞鳴命坐像)は、平安時代の作で非常に貴重な遺産です。

国登録有形文化財

1919年に再建された社殿の多くは、2002年に国の登録有形文化財に指定されています。これには楼門、拝殿、神楽殿、神饌所、御輿蔵、祝詞殿(中門)、社務所などが含まれます。

甲賀市指定有形文化財

境内には、他にも甲賀市指定の文化財があります。特に、石造反橋や応永33年(1426年)に建立された種子三千仏、慶長7年(1602年)に作られた鉄製湯釜は、地域の歴史を伝える重要な遺産です。

祭事

大鳥神社では、毎年7月23日と24日に「大原祇園」が開催されます。宵宮では燈籠行事が行われ、本祭では甲賀市で最大規模の祇園花行事が執り行われます。この行事は社伝によると応永22年(1415年)から始まったとされています。

アクセス

大鳥神社へは、JR草津線「甲賀駅」から徒歩約20分でアクセスできます。周辺は自然に囲まれた静かな環境で、散策しながら神社までの道のりを楽しむことができます。

まとめ

大鳥神社は、長い歴史と豊富な文化財を有する神社で、地元住民のみならず観光客にも親しまれています。特に、毎年開催される大原祇園行事や文化財の数々は、訪れる人々に深い感銘を与えます。甲賀市を訪れた際には、ぜひ足を運んでその歴史と文化に触れてみてください。

Information

名称
大鳥神社(甲賀市)
(おおとり じんじゃ)

甲賀・信楽

滋賀県