滋賀県が発祥といわれる有名な野菜・日野菜。日野菜を使った「日野菜漬」は全国的にも知られる漬物だ。塩漬け・甘酢漬け・ぬか漬けなどにされるが、現在では、甘酢漬けが多く食べられいる。切らずに漬ける「姿漬け」と、切って漬ける「切り漬け」があり、「姿漬け」は桶に入れた形が「えび」のように見えることから「えび漬け」とも呼ばれている。また、「切り漬け」は、全体が桜色になり「桜漬け」とも呼ばれるそうだ。「日野菜漬」の味と苦みが入り交じった味は独特で、ご飯や酒にもよく合う。
「日野菜漬け」は、滋賀県の伝統的な漬物で、平成10年(1998年)に滋賀県の選択無形民俗文化財として認定されました。
この漬物は、日野町が発祥であり、約500年前に蒲生家中興の祖・蒲生貞秀が日野町鎌掛の観音堂で発見されたとされています。日野菜はかぶの一種で、葉が紫色で根に向かって白色、長さは30cmほどあります。主に10月から12月までが旬で、独特の風味や辛み、苦みがあり、漬物によく使用されます。漬け方もさまざまで、「桜漬け」は葉を刻み、短冊切りにした根と一緒に酢に漬けます。「えび漬け」は葉付きのまま下漬けし、甘酢に漬け込み、「ひね漬け」はぬかで漬ける方法があります。
日野菜の根には、でんぷんの消化酵素として働くアミラーゼや、少量のビタミンが含まれており、葉の部分にはβカロテンやビタミンC、カルシウム、カリウムなどの栄養が豊富に含まれています。
主な使用食材:日野菜、あら塩、米ぬか