白山神社（はくさんじんじゃ、しらやまじんじゃ）は、滋賀県湖南市東寺に位置する神社です。古くは村社で、現在も地域の守り神として崇拝されています。境内は長寿寺に隣接しており、その歴史と共に歩んできました。
白山神社は奈良時代に、天台宗の長寿寺の鎮守社として建立されました。長寿寺沙門の貞海阿闍梨が勧請し、白山権現として祀られたと伝えられています。寿永2年（1183年）には、源頼朝が長寿寺と共に本社を再興しました。
明治時代に行われた神仏分離により、白山神社は長寿寺から独立しましたが、現在も長寿寺の境内内にあり、社殿は長寿寺の本堂の南に隣接しています。鎮守社としての役割は今でも続き、村社として地域の人々に崇敬されています。
また、社殿の南側にはホコバの森が広がり、高台にはかつての長寿寺の三重塔の跡が残っています。この森と遺構は、神社と寺の長い歴史を感じさせる場所です。
白山神社の主祭神は、白山比咩神（しらやまひめのかみ）です。この神は、古代より霊山である白山を御神体とする信仰の中心にあり、特に女性の守護神として信仰されています。
白山神社の境内には、室町時代後期に建築された拝殿があり、これは国の重要文化財に指定されています。
本殿は一間社流造で、間口一間、奥行一間の小さな建物です。覆屋があり、風雨から建物を保護しています。
室町時代後期に建てられた拝殿は、入母屋造りで、正面三間、側面三間の構造です。正面には格子戸が設置され、木造の美しいデザインが特徴的です。1959年（昭和34年）に重要文化財に指定され、現在も保存状態が良好です。
神庫は、神社の宝物を保管する建物です。特に白山神社では、古い神具や資料がここで大切に保管されています。
白山神社には、歴史的・文化的価値が高い文化財がいくつかあります。特に、以下の文化財が有名です。
拝殿
室町時代後期の建築で、1959年に国の重要文化財に指定されています。歴史的な意義の高い建物であり、現代まで良好な状態で保存されています。
板絵三十六歌仙扁額 8面
この扁額は、永享8年（1436年）の銘を持ち、三十六歌仙の姿を描いたものです。1枚には5人または4人の歌仙が描かれ、彩色された板に繊細な線描で表現されています。特に、蜷川新衛門が歌を詠み、土佐派の絵師が絵を描いたと伝えられています。この8面の扁額は、県の有形文化財に指定されています。
白山神社へは、JR草津線の石部駅から湖南市コミュニティバスを利用して、長寿寺停留所で下車後、徒歩2分で到着します。また、石部駅から車で約8分の距離です。
白山神社は長寿寺の境内に隣接しており、周辺には観光スポットが点在しています。特に長寿寺や常楽寺、東海道石部宿歴史民俗資料館などがあり、歴史を感じながら散策を楽しむことができます。
長寿寺は、白山神社と共に湖南市の歴史を代表する寺院です。奈良時代に創建され、現在も天台宗の寺院として地域の人々に親しまれています。長寿寺の歴史的な建築物や庭園も見どころです。
じゅらくの里は、地域の文化や歴史を紹介する施設です。白山神社から徒歩5分の場所にあり、湖南市の観光地を訪れる際には立ち寄りたいスポットの一つです。
常楽寺は、長寿寺と共に湖南三山の一つに数えられる天台宗の寺院です。美しい庭園と共に、歴史的な建築物が数多く残されており、散策や観光におすすめです。
石部宿は、かつての東海道の宿場町として栄えた場所です。現在もその面影を残しており、歴史民俗資料館では当時の暮らしや文化について学ぶことができます。
白山神社からバスで約8分の場所にある臥龍の森は、森林浴を楽しむことができる美しい自然スポットです。100選に選ばれるほどの美しい景観と静かな環境で、心身を癒すことができます。