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石部宿場の里

(いしべしゅくば さと)

石部宿場の里は、滋賀県湖南市の雨山文化運動公園内に位置し、江戸時代の東海道五十三次における51番目の宿場町「石部宿」を再現した都市公園です。1985年にオープンし、往時の街並みを再現したテーマパークとして、多くの観光客に親しまれています。

江戸時代の街並みを再現

石部宿場の里では、江戸時代の石部宿の街並みが見事に再現されています。関所の門農家旅籠(はたご)商家茶店、そして八石教会所など、当時の宿場町に存在した建物が忠実に復元されており、江戸時代の雰囲気を感じることができます。それぞれの建物は内部を公開しており、江戸時代の生活を知るための民俗資料が展示されています。

テーマパークの雰囲気

石部宿場の里は旧街道から南に約20分歩いた場所にあります。入り口の関所を通り抜けると、目の前に広がるのは、江戸時代末期の農家や商家、旅籠、茶店などを再現した町並みです。どの建物も細部に至るまで忠実に作りこまれており、特に建築様式は「うなぎの寝床」と呼ばれる間口が狭く奥行きが広い特徴を持っています。旅籠「いしべ屋」に入ると、洗面桶やかまどなどが展示されており、まるで江戸時代にタイムスリップしたかのような感覚を味わえます。

石部宿の歴史的背景

石部宿は、江戸時代の東海道五十三次における重要な宿場町でした。京都から江戸へ向かう旅人にとって、最初に泊まる場所が石部であり、その距離は約36キロメートル。京都を朝に出発すると、夕方には石部に到着することから「京立ち、石部泊まり」と言われ、旅人たちの間で広く親しまれていました。幕府直轄の宿場として、本陣(小島本陣、三大寺本陣)をはじめとする458軒もの家屋が並び、旅籠や茶店も多くの旅人で賑わいました。

田楽茶屋の再現

石部宿場の里には、江戸時代の有名な茶屋「田楽茶屋」が再現されています。歌川広重の浮世絵に描かれた茶屋がモデルとなり、旧東海道沿いに忠実に復元されています。この場所は、休憩するのに最適な無料の休憩所としても知られており、観光客に人気のスポットとなっています。

宿場町の成立と発展

石部宿の成立には諸説あり、1571年に織田信長の支配下で周辺の5つの村が統合されて「石部町」が形成されたという説や、1597年に豊臣秀吉の命令で信濃善光寺の輸送が始まり、その際に伝馬が設けられたという説などがあります。しかし、一般的には1601年に東海道各宿に朱印状が発せられ、正式に宿場として認定された時点が石部宿の始まりとされています。

名物「ところてん」の発祥地

江戸方面に進むと、石部宿と水口宿の間に藤棚が備えられた茶店がありました。この茶店では、ところてんに黒蜜をかけて食べる風習があったとされ、これが「ところてん」の発祥地とも言われています。現在では、この場所は観光スポットとして再現され、多くの観光客が立ち寄ります。

展示施設と関連施設

石部宿場の里に隣接する東海道石部宿歴史民俗資料館では、石部宿に関連する歴史資料が展示されています。ここでは、江戸時代の宿帳や関札、大名の網代駕籠など、宿場町の歴史を物語る貴重な資料が多数展示されており、訪れる人々にとって興味深い学びの場となっています。

利用情報

休館日

月曜日、祝祭日の翌日(ただし土曜日・日曜日は除く)、12月28日〜翌年1月4日

開館時間

9:00~16:30

所在地

滋賀県湖南市雨山2-1-1
駐車場も完備されているため、車でのアクセスも便利です。

交通アクセス

JR草津線 石部駅から車で8分

Information

名称
石部宿場の里
(いしべしゅくば さと)

甲賀・信楽

滋賀県