滋賀県 » 甲賀・信楽

日雲神社(滋賀県甲賀市信楽町牧)

(ひくも じんじゃ)

日雲神社は、滋賀県甲賀市信楽町牧に鎮座する由緒ある神社です。神社は、豊かな自然に囲まれた静寂な場所にあり、地元の信仰を集めています。境内を信楽高原鐵道が通過するという珍しい光景も魅力の一つです。

神社の概要

日雲神社は、滋賀県甲賀市信楽町牧に位置しており、その歴史は古く、創建の時期は不詳とされていますが、伊勢神道五部書『倭姫命世記』に記載されている元伊勢「甲可日雲宮」に起源を持つと伝えられています。

祭神

日雲神社の主祭神は、天御中主神(あめのみなかぬしのかみ)です。この神は、宇宙の中心に位置し、すべての神々の祖神とされる重要な存在であり、神聖な力を持つ神として崇拝されています。

神紋

神社の神紋は「梅鉢」です。梅の花を模したこの神紋は、古くからの由緒を伝え、神社のシンボルとして崇められています。

歴史

創建と発展

日雲神社の創建年代は不明ですが、『倭姫命世記』に記載されている「甲可日雲宮」が神社の起源とされています。この記述によれば、伊勢神宮の起源にも関わりがある古代の神社として、日雲神社は非常に重要な存在であったことがわかります。本殿は元禄4年(1691年)に建造されたものであり、現在でもその古い姿を保っています。

神社の名称の変遷

かつて日雲神社は「上野山天神」や「牧村天満宮」として知られていました。しかし、明治18年(1885年)に現在の社名である「日雲神社」に改められました。この改名は、神社の歴史的背景を強調し、より正確な名称として広く認識されるようになったものです。

村社への昇格

明治9年(1876年)には、日雲神社は村社に列しました。これは地域の重要な信仰の中心として、政府からも認められたことを意味しています。

境内の特色

信楽高原鐵道と踏切

日雲神社の境内を信楽高原鐵道が通過しており、その風景は非常に独特です。神社の境内を電車が通るという光景は、他ではあまり見られないもので、訪れる人々にとって興味深いものとなっています。また、警報機のない踏切があり、まるで線路が神社の結界のように見えると評されています。

祭事

例祭

日雲神社の例祭は、毎年5月5日に行われます。この例祭は、地域の人々が集まり、豊作や安全を祈願する重要な行事であり、神社の伝統を守り続けるものとして大切にされています。

文化財

本殿

日雲神社の本殿は、元禄4年(1691年)に建造された三間社流造(さんげんしゃながれづくり)の檜皮葺(ひわだぶき)の建物です。この本殿は、近江地方の中世以来の流造の建築様式を伝えるものとして評価され、国の登録有形文化財建造物に指定されています。精巧な造りと歴史的な価値を持つこの本殿は、神社のシンボルとして重要な役割を果たしています。

六角形石灯籠

日雲神社の境内には、鎌倉時代の嘉元4年(1306年)の刻銘を持つ六角形の石灯籠があり、これもまた非常に貴重な文化財です。この石灯籠は、甲賀市の指定文化財として保存され、歴史的価値が高く、訪れる人々にその時代の風情を伝えています。

太鼓踊

日雲神社では、滋賀県の選択無形民俗文化財として「太鼓踊」が保存されています。この踊りは、地域の伝統文化を象徴するものであり、毎年の祭りの際に披露され、多くの人々に親しまれています。

境内社と境外社

境内社

日雲神社の境内には、以下の4つの境内社があります。

境外社

また、境外社として「鹿島神社」があり、これは日雲神社の外に位置しています。この神社は、地域の人々からも広く信仰を集めています。

アクセス情報

信楽高原鐵道 雲井駅からのアクセス

日雲神社へのアクセスは、信楽高原鐵道の雲井駅から徒歩5分という便利な場所にあります。雲井駅で下車し、神社までの道のりは、美しい自然を感じながらの散策となります。

貴生川駅からのアクセス

さらに、貴生川駅(西日本旅客鉄道・信楽高原鐵道・近江鉄道)からもアクセスが可能です。こちらから信楽高原鐵道に乗り継ぎ、雲井駅で下車することで神社に到着します。

まとめ

日雲神社は、歴史と自然が調和する滋賀県甲賀市の神社であり、古代からの信仰の中心地として、地域の人々に愛され続けています。境内を通る信楽高原鐵道や、歴史的な文化財である本殿や石灯籠、さらに太鼓踊といった伝統行事など、見どころが満載です。訪れる人々は、神聖な空間で心を清めながら、歴史と自然を堪能することができるでしょう。

Information

名称
日雲神社(滋賀県甲賀市信楽町牧)
(ひくも じんじゃ)

甲賀・信楽

滋賀県