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小汐井神社

(おしおい じんじゃ)

小汐井神社は、滋賀県草津市大路に鎮座する由緒ある神社です。この神社は中山道第一の宮として知られ、旅人や周辺の氏子からも厚い信仰を集めています。特に安産の神としても崇められており、古くから地域の人々に親しまれています。

社名の由来

「おしおい」という社名は、古代の祭祀において神を迎える前に海で潔斎する儀式に由来しています。この潔斎は「潮斎(しおい)」と呼ばれ、神事に臨むための清めの行為として行われていました。この地域は「小汐井(おしおい)」村と呼ばれていましたが、後に「大路井(おちのい)」村となり、さらに住居表示の改正により現在の「大路(おおじ)」村となっています。

歴史

創祀と名称の変遷

小汐井神社の創祀は宝永2年(1705年)とされていますが、社家記録によれば貞観5年(863年)にまで遡るとも伝えられています。往古は「女体大権現」と称されていましたが、明治11年に現在の「小汐井神社」という社号に改められました。また、明治9年には村社に列せられています。

伝説と祟りの話

江戸時代以前の記録には、池の水を独占しようとした一家が原因不明の死因で全員亡くなったという話が残っています。また、境内に麻を栽培した者が祟りに遭ったり、栴檀の木で器を作ったところ農作業がうまくいかなかったなど、さまざまな祟りの伝説が伝わっています。これらの話から、この神社では神に対して無礼な行いをすると必ず祟りが起こるとされています。

境内の特徴

陰陽木(めおとぎ)

小汐井神社の境内には、特別な「陰陽木」があります。この木は、モチノキ科のクロガネモチとニレ科のムクの木が根元で一つに繋がっている珍しいものです。古くから、この陰陽木に願いをかけると縁が結ばれ、夫婦の和合がもたらされると言い伝えられてきました。夫婦円満や縁結びを願う参拝者が多く訪れる場所です。

小汐井(潮斎)池

本殿の東側には、古くから「小汐井池」と呼ばれる池があります。この池は、神社の創建当時に本殿があった場所とされ、磐境(いわさか)が今も残っています。磐境とは、古代に神を祀るために自然の石を神聖視して囲んだ場所を指します。この場所は、神聖な雰囲気が漂い、神社の歴史を感じさせる特別なスポットです。

神紋

小汐井神社の神紋は「左三ッ巴(ひだりみつともえ)」です。この巴紋は、日本の多くの神社で見られるもので、神社の象徴的な紋章として知られています。

主な祭神

小汐井神社の主な祭神は「田心姫命(たごころひめのみこと)」です。この神は安産や縁結びの神として信仰されています。また、境内にはいくつかの境内社もあり、それぞれの神が祀られています。

境内社一覧

御神木

小汐井神社の御神木は、樹高14メートルにも及ぶ巨大な木で、東側のクロガネモチと西側のムクの木が合体しています。この木は、赤い実を付けるクロガネモチが「陰」、黒い実を付けるムクの木が「陽」を表しており、陰陽の象徴とされています。特に、安産や縁結びの象徴とされ、多くの参拝者がこの木に願いを込めます。

祭事

小汐井神社では、年間を通じてさまざまな祭事が行われています。

例祭

毎年5月3日に行われる例祭は、地元の人々にとって特別な行事です。この日には、地域の人々が集まり、神社の繁栄と地域の安全を祈願します。伝統的な儀式や神楽などが行われ、神社の神聖さを感じられる一日となります。

交通アクセス

小汐井神社は、交通アクセスも便利です。

JR草津駅からのアクセス

まとめ

小汐井神社は、その豊かな歴史と信仰に満ちた場所として、多くの参拝者に愛されてきました。特に安産祈願や縁結びのご利益があるとされ、地元の人々だけでなく、遠方から訪れる人々にも人気の神社です。また、陰陽木や小汐井池など、神秘的な雰囲気を持つ場所も多く、静かな祈りの時間を過ごすのに最適です。歴史を感じる境内を散策しながら、自然と神聖さを感じられるこの神社は、訪れる価値のある場所です。

Information

名称
小汐井神社
(おしおい じんじゃ)

草津市・守山

滋賀県