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大宝神社

(だいほう じんじゃ)

大宝神社は、滋賀県栗東市に位置する神社です。かつて式内社であり、旧社格は郷社とされています。この神社は、旧中山道沿いにあり、方除け、厄除け、健康、そして宝くじの当選にご利益があるとされています。

祭神

大宝神社の主祭神は素盞鳴尊(すさのおのみこと)です。また、素盞鳴尊の妻である稲田姫命(いなたひめのみこと)も祀られています。これらの神々は、疫病の鎮静に関わる神々として崇敬されており、信仰の対象となっています。

歴史

創建の背景

大宝神社の創建は、大宝元年(701年)に遡ります。当時、疫病が流行していた際、現在の栗東市小平井に素盞鳴尊が降臨し、後に栗東市霊仙寺を経て、現存する神社の地に鎮座しました。疫病の収束は、この鎮座によりもたらされたと伝えられています。

神社名と天王宮

創建から間もない大宝元年5月1日には、「大宝天王宮」として正式に社名が定められ、正一位という高位を授けられました。さらに、大宝2年(702年)には、今宮応天大神宮の神号も与えられ、神社としての重要性が一層高まりました。

中世から近世までの歴史

室町時代には、永享5年(1433年)に将軍足利義教から311石の寄進を受け、社の財政基盤が強化されました。また、天文14年(1545年)には、六角定頼によって社殿が修復され、社の姿が整えられました。しかし、元亀2年(1571年)には織田信長によって社領が没収されるも、天正年間(1573年 - 1591年)には復興し、再び崇敬を集める神社となりました。

近代の歴史

江戸時代を経て、正徳3年(1713年)には境内社が34社も存在し、神宮寺の仏眼寺や多くの堂宇が建ち並んでいました。しかし、明治維新後の神仏分離により仏眼寺は分離され、神応院も廃寺となり、神社の運営体制が大きく変わりました。1876年(明治9年)には村社に、1881年(明治14年)には郷社に昇格し、現在の「大宝神社」という名称が確立されました。

境内の見どころ

本殿と拝殿

大宝神社の本殿や中門、拝殿は、室町時代に再建されたもので、歴史的価値の高い建造物です。拝殿は栗東市指定有形文化財に指定されており、訪れる人々に荘厳な雰囲気を感じさせます。

摂末社

境内には複数の摂末社があり、その中でも特に重要なのは追来神社(おうらいじんじゃ)です。この神社は、元々大宝神社が創建される前に存在した神社であり、祭神として多々美彦命が祀られています。追来神社の本殿は、弘安6年(1284年)に再建され、重要文化財に指定されています。

稲田姫神社

もう一つの見どころは、稲田姫神社です。この社は、安土桃山時代に再建され、栗東市指定有形文化財に指定されています。素盞鳴尊の妻である稲田姫命を祀っており、夫婦円満や家庭の繁栄を願う参拝者が訪れます。

文化財

追来神社本殿

追来神社本殿は、国の重要文化財に指定されており、非常に貴重な建造物です。附属品として棟札も保存されており、歴史的な価値が高いです。

木造狛犬

大宝神社には、木造の狛犬が一対あり、これらは京都国立博物館に寄託されています。また、栗東歴史民俗博物館にも木造狛犬が寄託されており、これらも滋賀県指定有形文化財として重要視されています。

その他の文化財

境内には、稲田姫神社本殿や拝殿、平安時代から江戸時代にかけての木造神像29躯など、数多くの歴史的文化財が点在しています。また、石造足助楓崖碑も栗東市指定有形文化財として保存されています。

祭事

5月3日 - 宵宮

宵宮では、地域の子どもたちによる綱引き大会が開催されます。伝統的な祭りの一環として、地域住民や参拝者が参加する楽しいイベントです。

5月4日 - 例祭

例祭では、神輿が拝殿に据えられ、本殿で祝詞奏上や神楽舞の奉納、玉串奉奠の神事が行われます。その後、御旅所へ移動し、宮司らによって神事が執り行われます。例祭は村生人講、長老講、天王講の三つの組織を中心に進められ、地域の結束を象徴する行事です。

10月18日 - 相撲祭

毎年10月18日に近い日曜日には、伝統的な相撲祭が開催されます。この祭りは、栗東市と守山市の二つの町が水利を巡って争い、その解決策として相撲によって勝敗を決したことが起源とされています。しかし、2021年(令和3年)の開催分を最後に、神事相撲を除く各イベントは終了しました。

アクセス

公共交通機関でのアクセス

大宝神社へのアクセスは、JR琵琶湖線(東海道本線)栗東駅から徒歩約10分です。駅からのアクセスも良く、観光や参拝に便利です。

自動車でのアクセス

名神高速道路栗東ICから車で約10分で到着します。駐車場は10台分のスペースがあり、自動車でのアクセスも可能です。

その他

大宝神社は「宝くじ当選祈願」の神社としても知られています。宝くじ販売店の経営者が外れくじで作った千羽鶴を奉納し、お焚き上げを行うことが2020年(令和2年)に報じられました。これにより、多くの参拝者が宝くじの当選を願って訪れます。

Information

名称
大宝神社
(だいほう じんじゃ)

草津市・守山

滋賀県