大國主神社は、滋賀県高島市新旭町饗庭に位置する神社です。江戸時代まで「高嶋今宮」「今宮山王宮」と呼ばれ、通称「五十川神社(いかがわじんじゃ)」として親しまれていました。旧社格は村社です。
大國主神社は、地域の総鎮守として勧請され、歴史ある神社として地元に根付いています。祭神としては主に大己貴神(おおなむちのかみ)を祀り、その他に複数の神々を合祀しています。
大己貴神(おおなむちのかみ) - 商売繁盛、縁結び、病気平癒などのご利益があるとされています。
この神社の神紋は「向牡丹」で、社殿にはその紋があしらわれています。
大國主神社は、保延4年(1138年)にこの地の総鎮守として日吉大社から勧請されました。当時、周辺に鎮座する式内社の波爾布神社が「古宮」と呼ばれていたため、こちらは「今宮」と呼ばれるようになりました。
天授6年(1380年)には高島郡田井村竹ノ花から現在の地に遷座され、応永29年(1422年)の『木津荘検注帳』にも記載されています。これ以降、地域の守護神として多くの人々に崇敬されてきました。
明治初期には村社に格付けされ、江戸時代からの祭礼行事も簡素化されつつ維持されてきました。古くから伝わる神事や伝統行事は、今も地域の人々によって受け継がれています。
大國主神社には、明治時代の合祀政策によって、いくつかの神社が合祀されています。
祭神は健雷命と小毘古命。地域では「五十川」と呼ばれ、由緒ある神社です。
祭神は火産霊神。延宝年間に勧請され、火の守護神として崇敬されています。
祭神は伊勢大明神と春日四所大明神。康保2年に創建され、藤原氏ゆかりの神社です。
社家(中村氏)が代々神職を務め、宮座が存在しましたが、明治2年に差別撤廃のため宮座は廃止されました。現在は社家と宮総代が祭事を行っています。
大國主神社では、年間を通じて様々な祭事が行われています。地域に根付いた祭礼として、古くから続いているものが多くあります。
新年を祝う祭りで、多くの参拝者が訪れます。
一年の健康と平穏を願う祭りです。
例祭では、稚児神事や御輿渡御が行われ、地元の人々が参加します。往古には流鏑馬や湯立神事も行われ、賑わいを見せました。
巫女舞が奉納され、境内には美しい灯籠が点灯される幻想的な祭りです。
五穀豊穣に感謝する祭りです。新嘗講が行われ、伝統的な料理が振る舞われます。
一年の穢れを祓い、新しい年を清々しく迎えるための行事です。
大國主神社には、数多くの境内社があり、それぞれ地域の人々に信仰されています。
大國主神社には、歴史的な文化財や見どころが数多く存在します。
かつて流鏑馬が行われた馬場で、現在も孟宗竹の竹藪が残っています。
弘化2年(1845年)に完成した鳥居は、小野組の寄進によるものです。
天保2年(1831年)に建立された三重台の常夜燈籠も、歴史的価値が高いものとして保存されています。
大國主神社は、歴史と伝統が息づく神社であり、地域の信仰の中心として多くの人々に崇敬されています。古くから伝わる祭礼や行事、由緒ある文化財の数々は、訪れる人々に深い感動を与えます。滋賀県高島市を訪れた際には、ぜひこの神社に立ち寄り、その歴史と伝統に触れてみてはいかがでしょうか。