滋賀県 » 湖西・高島

邇々杵神社

(ににぎ じんじゃ)

邇々杵神社は、滋賀県高島市朽木に鎮座する神社で、宮前坊の氏神として信仰を集めています。古くは「十禅師」と呼ばれ、日吉大社摂社である樹下神社の分霊が祀られていると伝えられています。境内には江戸末期に建立された木造の二重多宝塔があり、朽木神宮寺宝塔とも称され、地元の文化財として保護されています。

祭神と神紋

祭神:邇々杵尊(ににぎのみこと)

神紋:四ッ目

邇々杵尊(ににぎのみこと)について

邇々杵尊は、日本神話に登場する神であり、天孫降臨の神話において高天原から地上に降り立った神とされています。邇々杵神社では、この邇々杵尊が御神体として祀られ、朽木地域の守護神として信仰されています。

歴史

創建と由来

邇々杵神社の創祀年代は不詳ですが、平安時代初期に、日吉十禅師社(現・日吉大社摂社樹下神社)を勧請したものと伝えられています。明治時代初年に「邇々杵神社」と改称され、昭和15年(1940年)には郷社に昇格しました。

神宮寺と多宝塔

かつて邇々杵神社には、天台宗の神宮寺が併設されていました。現在も境内には、天保年間(1830 - 1844年)に建造された多宝塔が残っており、高島市の指定文化財として保護されています。この多宝塔には、平安時代の様式を感じさせる鎌倉時代初期の仏像が安置されています。

多宝塔の構造と仏像

多宝塔は方三間の二重の塔で、内部には木造の釈迦如来像と23体の薬師如来像が安置されています。この釈迦如来像は鎌倉時代初期の仏像で、平安時代の作風が残されています。塔のどっしりとした安定感は訪れる人々に深い印象を与え、朽木地域の歴史的文化財として大切にされています。

例祭と神事

例祭(5月10日)

邇々杵神社では毎年5月10日に例祭が執り行われます。この祭りでは、御輿渡御(みこしとぎょ)という神輿を担いで巡行する神事が行われ、多くの参拝者で賑わいます。御輿渡御は地域住民による伝統的な行事であり、地元に根付いた神社信仰を象徴しています。

境内社

境内には邇々杵神社の他にも、小さな社(境内社)が点在しています。その中でも「河内神社」は、特に地元で親しまれています。境内社も含めて参拝することで、より豊かな御利益が得られるとされています。

文化財と見どころ

高島市指定文化財

邇々杵神社にある多宝塔は、高島市指定の文化財となっています。江戸末期に建造されたこの多宝塔は、歴史的な価値が高く、また宗教的な意味でも貴重なものとされています。

釈迦如来像と薬師如来像

多宝塔内部には木造釈迦如来像と薬師如来像が安置されています。特に釈迦如来像は、平安時代の優美な作風を残す鎌倉時代初期の作品であり、訪れる人々の目を惹きつけています。薬師如来像も合わせて23躯が配置され、堂内の荘厳な雰囲気を醸し出しています。

アクセス

公共交通機関

邇々杵神社へは、市のコミュニティバスを利用することが可能です。最寄りの停留所である「宮前坊」で下車し、すぐに神社の入口に到着します。公共交通機関を利用することで、アクセスしやすい立地となっています。

周辺スポット

邇々杵神社の周辺には、滋賀県の自然豊かな風景が広がっています。また、滋賀県の歴史的建造物や寺社巡りの一環として訪れる方も多く、他の文化財や観光地とも合わせて楽しむことができます。

Information

名称
邇々杵神社
(ににぎ じんじゃ)

湖西・高島

滋賀県